トップメッセージ

サステナビリティの考え方では、企業価値を経済価値と捉え、それに環境問題や人権などの社会課題解決に向けた社会価値が加わるSXの視点が極めて重要になります。

経済価値は、当社グループがこれまで培ってきたノウハウや技術力をベースに、その延長線上および隣地や飛び地の開拓によって、向上させる必要があります。

一方で、環境や生物多様性問題に対しては、地球のおかれた環境を理解し、豊かな地球環境を次世代へつなぐ必要があります。昨今の地球環境を考慮するならば、世界全体の共通テーマとして「豊かな未来像」をバックキャストし、実現するための考動が必要な時期に来ているのではないでしょうか。
このまま放置し続けると、私たちの生活はもとより、企業活動の停滞も余儀なくされる可能性があります。地球の温暖化が進み続ければ、どのような事態を招くかは容易に想像ができます。

また、サプライチェーンを含めた人権についても、それが尊重された社会の実現を目指す必要があります。
サステナビリティは、後戻りすることのない不可逆の潮流であることは間違いありません。この潮流を事業の成長領域に結びつけることこそがSXの本質です。SXで最も重要な視座は「経済にも社会にも配慮するトレードオン事業を追求すること」「統合的思考で長期的戦略を考えること」「実現できる仕組みを構築すること」です。

「やらされ感」のあるサステナビリティではなく、自らの意志による未来志向のSXへとつなげることが肝要です。私たちは、明るい未来に向けた、夢のあるサステナビリティを目指してまいります。

このSXの実現、そして中長期的な企業価値向上の土台となるのが、人的資本経営であり、その不朽の基盤となるのが健康経営です。当社グループでは、人的資本経営をコンプライアンスと同様、企業の存立を支える恒久の施策と強く位置付けています。

企業の競争優位性は、従業員一人ひとりの創造性と活力に集約されます。私たちは、高いエンゲージメントを保ってこそ、組織全体で最高のパフォーマンス、そして圧倒的な生産性を上げることができると確信しています。従業員の心身の健康こそが、最適なサービスを生み出す源泉と考えています。

特に、労働市場の構造が変化し、高年齢従業員の割合が増加していく昨今、全世代の活躍は喫緊の課題です。当社グループは、若年層からシニア層まで、全ての従業員がライフステージを問わず活き活きと、その持てる能力を最大限に発揮できる環境を構築します。これは、単なる福利厚生ではなく、持続的成長のための戦略的な投資です。

同時に、私たちは、従業員一人ひとりに対し、自らの健康維持・増進に積極的に取り組むことを期待しています。この主体的な行動は、結果として健康寿命の延伸に繋がり、活力ある社会の形成や、社会保障制度の維持といった広範な社会課題の解決にも貢献する、公的な使命を担うことになります。

心身の健康を起点とした「働きがい」と「生きがい」の連鎖こそが、企業価値と社会価値を最大化する、当社の譲れないコミットメントです。

NTSホールディングス株式会社
代表取締役社長　小林英利